2017年8月4日 (仮訳)新種Saccharomyces jurei:Quercus roburからの新規酵母の分離および遺伝学的同定 Naseeb, S. et al., 2017. Saccharomyces jurei sp. nov., isolation and genetic identification of a novel yeast species from Quercus robur. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. Available at: http://ijs.microbiologyresearch.org/content/journal/ijsem/10.1099/ijsem.0.002013 [Accessed August 3, 2017]. 【R3-04267】2017/08/04投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ フランス南東部、サントーバンにおいてQuercus roburの樹皮および周辺土壌から分離された酵母の一種を検討し、Saccharomyces jureiとして新種記載した。 本種はS. paradoxusおよびS. mikataeに近縁であり、資化試験および発酵試験では信頼性のある判別が不能なほど類似していた。 交配試験により、本新種を含むSaccharomyces属8種がいずれも生物学的種であることを確かめた。 Saint Auban, south-eastern France (新種) Saccharomyces jurei Nasseb S, James SA, Alsammar H, Michaels C, Gini B, Neuno-Palop C, Bond CJ, Mcghie H, Roberts IN & Delmeri D. 語源…酵母研究者のJure Piškur教授に献名 【よく似た種との区別】 Saccharomyces mikatae 発酵試験で信頼性のある判別が不能 資化試験で信頼性のある判別が不能 37°Cで生育不能 ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメリビオースを発酵可能 本種と異なりメレジトースを発酵不能 本種と異なりメリビオース、リビトール、ガラクチトールを資化可能 ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITS1の配列類似度98.1%[360塩基中7塩基の置換]、D1/D2の配列類似度99.8%[579塩基中1塩基の置換]) Saccharomyces paradoxus 発酵試験で信頼性のある判別が不能 資化試験で信頼性のある判別が不能 ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米、極東などにおける分布が知られている 本種と異なり37°Cで生育可能のことがある ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITS1の配列類似度96.1%[362塩基中12塩基の置換および1塩基のインデル]、D1/D2の配列類似度98.6%[574塩基中6塩基の置換および1塩基のインデル]) Saccharomyces cerevisiae 発酵試験で信頼性のある判別が不能 資化試験で信頼性のある判別が不能 ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりD-マンニトールを資化不能 本種と異なり37°Cで生育可能のことがある ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される